ねぇ、俺の声聴こえてる?
次の授業が始まる前に、黒瀬は自分の席に戻って来た。
なんか返事書こうかな。
そしたらまた返ってくるかもしれないし。
俺はまた授業そっちのけで、さっきの返事からどう話を広げようかを悶々と考えていた。
……ら、また考えてる内に授業が終わった。
……、あ!そうだ!
10分休憩の間にまたノートを千切って手紙を書いた。
”黒瀬さんへ
本当に申し訳ないんだけど、
さっきの授業寝ちゃっててノート取れなかったんだ
迷惑じゃなければ、見せてもらえないかな?
夏野”
どうかな〜?
貸してくれるかな?
今日初めて話した(手紙でだけど)ばっかのやつにノートなんか貸すかなぁ?
暫く唸った後、まぁいっか!と手紙を放った。
「夏野くん!」
黒瀬の反応を見ようとしたところに、同じクラスのれんちゃんが話しかけてきて阻止された。
話の内容は、昼休みに中庭に来て、だった。
それこそ手紙でよくね?
って思ったけど、顔には出さずに笑って頷いた。