ねぇ、俺の声聴こえてる?
*5*
次の日、返事が返ってきた。
”夏野くんへ
私なんかと行っても、きっと楽しくなんかないよ
他の人を誘ってください
誘ってくれて、嬉しかったです
黒瀬”
俺は手紙を読んだ瞬間、ガックシと肩を落とした。
確かに楽しめるかどうかは分からんけど。
女の子と遊ぶ時は、俺は楽しむんじゃなくて楽しませるの担当だし、いつも。
俺が楽しいかどうかはあんまり関係ない。
でも、あんまりしつこく誘ったら逆に嫌がられるかな……?
今まで俺から誘って断られたことがないから、どうしていいかよく分からない。
取り敢えずもう一回だけ誘って、また断られたら諦めよう。
”黒瀬さんへ
そんなことないよ
俺、黒瀬さんと仲良くなりたいんだ
ヘッドホンつけたままでいいし
ダメかな?
夏野”
これでどうだ!
今回は昨日のようにならないように、昼休みに渡した。
「…………」
ら、やっぱり固まってた。