ねぇ、俺の声聴こえてる?
そして放課後。
返事は来ないまま、帰りのHRが終わってしまった。
嫌がられたんだ……。
結構ショックだ……。
俺は溜息をついて机に突っ伏した。
黒瀬はせっせと帰り支度を整えている。
夏休みに会うのは諦めよう。
また新学期から頑張ろう。うん。
仕方ない仕方ないと、沈む心を慰める。
そうだ、沈んでる時は遊ぼう。
そう決心して体を起こすと、
「っえ、あ、黒瀬さん?」
黒瀬が振り返って俺をじっと見つめていた。
あ……黒瀬の顔、こんなじっと見たの初めてだ。
なんか……、普通に可愛いんだけど。
目おっきいし、鼻は低いけどまたそれがなんか可愛い。
唇もふっくらしてて、キスしたら気持ちよさそう……。
……って!だから違うって!
「な、何?どうしたの?」
下心全開の思考を追っ払って、笑顔で問いかける。
すると黒瀬は頬を染めて、おずおずと手紙を差し出した。
か、返ってきた!