ねぇ、俺の声聴こえてる?
色とりどりの花火が、真っ暗な夜空に咲いた。
俺もここまで大迫力な花火は見たことがなくて、思わず見入ってしまった。
「綺麗……」
「うん……すっげぇ……」
それしか言えなかった。
ちらりと横を見ると、黒瀬は口に手を当てて、瞳を潤ませていた。
え、泣いてる?
「なんで泣いてんの?」
「え?あ……」
気付いていなかったようで、自分の目に触れて驚いていた。
「花火なんて、生で見たの初めてで……ちょっと、感動しちゃいました」
すいません。
そう言って目元を指で拭いながら、
黒瀬は、笑った。
「__っ、ん……!?」