ねぇ、俺の声聴こえてる?
………、やっちまった。
やらかしちゃった!
黒瀬に……キス、してしまった。
だ、だって!黒瀬が笑うから!
笑った顔可愛かったから!
つい!……やばい、どうしよう。
「……っは、」
唇を離してすぐに、最後の花火が上がって……闇に溶けていった。
「……」
「……」
そして訪れる沈黙。
マジでどうしよう。
ノリで、とかなんとなく、とか言ったらまた泣かせちまう。
なんて言ったら……。
「……、あの、」
「えっ!?なな、何っ!?」
先に沈黙を破った黒瀬に、キョドッて変な声を出してしまった。
黒瀬は俯いていて、どんな顔をしてるのか分からない。
怒らせたかな……?
「……その、今のは、なんですか?」
「…………え?」
なんですか?
それは、
「キスですよ……?」
「きす……?」
……。
え、ちょっと待って。嘘だろ。
黒瀬って…………、
キス知らねぇの!?