ねぇ、俺の声聴こえてる?
「大翔、ちょっといいかしら」
「ん?……理紗(りさ)」
昼休み、保健室に行こうか迷っていると、後ろの扉から凛としていてよく通る声に名前を呼ばれた。
こいつは本田 理紗(ほんだ りさ)。
1年の時に1ヶ月ほど付き合った、元カノだ。
「何か用?」
正直もう関わり合いたく無いんだけど……。
面倒だけど笑顔を貼り付ける。
教室で他の目もあるしね……。
「話があるの。少し付き合って」
相変わらずの不機嫌顔で、威圧感のある声。
俺は小さく溜息をついて立ち上がった。
言うことを聞かなかったら何するか分かんねぇしな、理紗は。