ねぇ、俺の声聴こえてる?



これは、またとないチャンスな気がする。


話しかけるチャンスだ。

でも、どうやって話しかけよう?


ただ肩を叩いて渡すだけじゃ、きっと会釈程度で終わってしまう。

それじゃつまらないしな。


黒瀬の生徒手帳を口元に運んで、う〜む、と悩む。


悩んでる間にHRが終わった。


黒瀬が立ち上がった。




……、そうだ。



ヘッドホンを外してみよう。

体育の時は外してるんだし、別に大丈夫だよな?



俺は立ち上がって、歩き出そうとした黒瀬の、ヘッドホンに手をかけた。


ヘッドホンが、耳から僅かに離れた、








「__ひっ!?」







バシッ!












< 8 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop