ねぇ、俺の声聴こえてる?
これは、またとないチャンスな気がする。
話しかけるチャンスだ。
でも、どうやって話しかけよう?
ただ肩を叩いて渡すだけじゃ、きっと会釈程度で終わってしまう。
それじゃつまらないしな。
黒瀬の生徒手帳を口元に運んで、う〜む、と悩む。
悩んでる間にHRが終わった。
黒瀬が立ち上がった。
……、そうだ。
ヘッドホンを外してみよう。
体育の時は外してるんだし、別に大丈夫だよな?
俺は立ち上がって、歩き出そうとした黒瀬の、ヘッドホンに手をかけた。
ヘッドホンが、耳から僅かに離れた、
「__ひっ!?」
バシッ!