魔王木村と勇者石川
魔女は師匠になりたくない
「さて、こっちはこっちでおしゃべりしよ~」
「そうだね。もともと見習いの顔合わせするつもりだったし。」
魔女二人はそう言うと、弟子二人に向き直った。
「「さて、自己紹介の時間だよ~!」」
テンション高めな先輩魔女二人に対して、見習い二人はいまいち乗り切れていない様子だ。
戸惑いが隠しきれていない。
「んじゃ、白山さんから紹介する?」
「そうだね~、お願い~」
まるで自分が自己紹介するかのようにサラリと決める蛍。
それを当然のように受け入れてのんびりと返す迷。
いつの間にかどんどん進んでいく話に戸惑いが増す見習い二人。
「ん、りょーかい! じゃ、白山さん、自己紹介どぞ!」
「え、私ですか!?」
悲鳴混じりに、マジですか!?と副音声が聞こえそうな顔で言った白山さん。
それに対し、蛍はにっと笑って首を傾げる。
「他にだれかいたっけ?」
「ええ~。まあ、いいですけど。」
白山さんは諦めたように言った。