魔王木村と勇者石川
「白山静流です。蛍先輩のもとで見習い魔女やってます。魔王城に勤めてます。よろしくお願いします?」
ため息混じりに自己紹介を始め、ごく普通の挨拶でそれを終えた白山さん。
けれど、蛍は何か気になったらしい。
「いや、なんで疑問形だよよよ?」
「なんとなく、ですけど。」
ほんの一瞬の沈黙。
「まあ、いいや。私が白山さん拾ってから200年ちょっと経つかな。ちょっとって言っても数日だけど。だから、けっこう長めの付き合いなのだよだよ」
「へえ、じゃあ、魔女歴はあんまり変わんないんだね~」
蛍の付け足しに、迷が反応する。
「そうなの?」
「はい、そうですよ。見たところ私の方が若干年上っぽいですが、魔女歴はむしろ白山さん?の方が長いです。僅差ですが。」
そう言って説明するのはここまで黙って聞いていた誉だ。