魔王木村と勇者石川


 
そう、そうなのだ。
 
三大英雄のお話。

あれが出来たのは、もう100年は前のお話。

にも関わらず、みんなの容姿はそれほど変わらない。
 

「あ~……あはは~」

 
白山さんの質問に、迷が気まずそうな笑い声とともに明後日の方向を見つめた。

 
「え、」
 
石川くんと鎌田くんは、じと~っと迷を見る。
 
「迷先輩、のせいなんですか?」
 

意外そうに言う白山さん。
 

「ちょっと、失敗して……。」
 

ポツリと、迷が呟いた。
 
その隣では、誉がちょっと遠い目をしている。

 
そう。ふたりは、迷が新作アイテムを作っていたときに、居合わせてしまったのだ。


しかも、よりによって実験失敗した瞬間に。
 



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