魔王木村と勇者石川
まあ、そんなわけで、今はみんなで仲良く旅行に出かけたり、こっそり鎌田くんの子孫助けたりして暮らしている。
「それにしても、懐かしいですね~、私たちが初めて出会ったときのこと。もう、100年ですか。」
誉ちゃんが、しみじみと言った。
「そうだね~、楽しかったな~。もちろん、今もすっごい楽しいけどね~っ!!」
「うんうん、迷の特製ノート、あれは乗り心地最高だったよたよ」
うなずく蛍も懐かしそうだ。
ほかの面々も、それぞれ100年前の今日のことを思い返していた。
そして、思う。
「俺たち、なんか、100年前からあんまり変わんないね」
「ああ、相変わらず騒がしい連中が多い」
「なんか、ごめん」
「いや、気にするな。そこまで不快なわけでもないからな」
ちらりと見えた口元は、少し口角が上がって見えた。