魔王木村と勇者石川
お留守番は寂しいよ~
ここは、人間の国のお城の一室。
城の書庫の管理や、占いや王への助言などを仕事としている魔女のプライベートスペースだ。
え?自室?
違います。ここは書庫の管理人スペース。
そこでは、魔女の迷が、水晶玉にすがりつくようにして泣き言を言っていた。
「「寂しいよ~」」
セリフが二つ被って聞こえたのは気のせいではあるまい。
一つは迷。もう一つは無論、蛍の声である。
もう一つ付け加えるなら、今は、昼である。
外は快晴。
青空が綺麗で窓からはやわらかな日差しの差し込んでいる、真昼間である。