魔王木村と勇者石川
「え、木村くん?!」
「あ、うん、蛍さんの様子見に来たんだけど……。あ、迷さんとお話中だったのかな。邪魔しちゃったね」
「いやいやいや、そんなことぜんぜんないよいよいよよよ!むしろ嬉しいよ!!」
「ほんと?よかった。ほら、白山さんいないから、蛍さん落ち込んでるんじゃないかと思って」
そんなこんなで、どうやら向こうでも木村くんが蛍のフォローをしてくれているみたいだ。
そして、迷はもう、石川くんの「知ってる」で、机に頭をくっつけて、手でバンバンと机を叩いていた。
うるさくならないように、気を遣いながらだから、ほとんど音はなかったけれど。
そして、水晶玉の向こうでは、蛍も同じことをしていたのは言うまでもないだろう。