魔王木村と勇者石川
卒業記念妄想暴走曲
「ねぇ、もしもしもしもだよ」
午前零時。魔女は今日も今日とて水晶玉に話しかける。
「みんなと学校が同じだったらさささ、どんなだったと思う?」
「あー、それは」
答えたのは水晶玉の中のもう一人の魔女。
「さいこーーー♡」
「でしょでしょん」
日付をまたいでまで話すほどのことでもないが、思い立ってしまったものは仕方ない。
なぜならば、魔女には語らねばならぬ使命があるからだ。
これは国家の最大の公事である。
「学生時代のみんな、あーっ、きっとかわゆいゆいゆい」
「制服だしねー」
「かわゆいゆいゆい」
蛍はかわいいの最大級表現かわゆいゆいゆいを繰り出す。国家最大の公事にふさわしい内容というわけだ。
「年齢違うから同じクラスにはなれないからー。そうだな。みーんな、同じ部活でー」
「よいーーー、毎日会えるるるー!!」
「休みないの………?」
あっ。
「年中無休24時間営業でお願いします」
慌てて水晶に映る迷に蛍は頭を下げようとして、
ごつん
「あーーーっ、迷が、迷が割れたーーー?!」