魔王木村と勇者石川
「あのね、木村くんと石川くんは国が離れてて、なかなか会えないけど、木村くんの方を私は近くで見ていて石川くんへの信頼が厚いの分かるんだ」
私がストーカー話を木村くんにふると、石川くんを褒めてたり、………私の石川くんへのストーカーが過ぎたものでないかを心配したり。
元々、木村くんは優しい性格だけど、そういうのがすごく好ましくて。
私の知らない石川くんの一面を人づてに聞くたびに、いい人だと思って。
二人の仲をずっと見ていたいと思った。
「最近、ますます二人の仕事が増えてるから、会う機会も自然と減っちゃうのかもしれない。けど、今日の少しくらいは楽しいことしてもいいと思ったし、手伝えること少ないけど、できることはしたいと思った」
「だからって」
「午後は予定通り体験授業だよ」
「な」
「でも、午前中この茶番に付き合って貰おうと思った。石川くんの言う通りだよ。これは私たちの我儘」
あの夜、妄想したように、同じ学校にみんながいて、同じ制服を着ていた。
ただただ、私たちの願望。
「でも、石川くんなら付き合ってくれるでしょ?」
「なにを根拠にそんな___」
「付き合ってくれないの?」
「それは………付き合ってやらんこともないが」
そっぽを向いた石川くんは、チラッとこっちを見て、みんながニヤニヤしてるのを見た。
「あーーーっもうなんなんだよーーー!」
さてさて、若干揉めたものの、学校ごっこの始まりです。