魔王木村と勇者石川



周りを確認したその瞬間、蛍はスライディングしてかじりつついた。

「石川くんはっと」

ふむふむ。
白山さんちゃんと案内してるね。こっちは、突っ込み役居なくて、柄にもなくたくさん突っ込んだよ?



にしても、かわえぇ。石川くん。


食べ物もらってからのツンデレがヤバイ。

俺いらないと言いつつ食べてからのツンデレ感ヤバイ。



『うむ、苦しゅうない』

ヤバイ。



「水谷ちゃん、おいでー」

「なんですか~?」

「んー。可愛いものがみえるよー」

「え~?なんですか~?」

「ほら見__」


「なに、サボってんですか、蛍先輩!」


しくった………!
机とか、隣の部屋にすぐあるじゃん。


「蛍さん、サボってたの?」

「えっと、勇者の様子をね。ちょっと……。あっありがとねー、持ってきてくれて。あははー」

疑わしげな目をする木村くん。

「あは、あははー」

「蛍さん」

「なっ、なに?なにかなー?」

「なんか、色変わ__?」

「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさ__って、え?色?」




蛍は残念ながら、カメレオンじゃないのだが。

< 40 / 179 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop