魔王木村と勇者石川
周りを確認したその瞬間、蛍はスライディングしてかじりつついた。
「石川くんはっと」
ふむふむ。
白山さんちゃんと案内してるね。こっちは、突っ込み役居なくて、柄にもなくたくさん突っ込んだよ?
にしても、かわえぇ。石川くん。
食べ物もらってからのツンデレがヤバイ。
俺いらないと言いつつ食べてからのツンデレ感ヤバイ。
『うむ、苦しゅうない』
ヤバイ。
「水谷ちゃん、おいでー」
「なんですか~?」
「んー。可愛いものがみえるよー」
「え~?なんですか~?」
「ほら見__」
「なに、サボってんですか、蛍先輩!」
しくった………!
机とか、隣の部屋にすぐあるじゃん。
「蛍さん、サボってたの?」
「えっと、勇者の様子をね。ちょっと……。あっありがとねー、持ってきてくれて。あははー」
疑わしげな目をする木村くん。
「あは、あははー」
「蛍さん」
「なっ、なに?なにかなー?」
「なんか、色変わ__?」
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさ__って、え?色?」
蛍は残念ながら、カメレオンじゃないのだが。