魔王木村と勇者石川
数分後。
「大体、こっちはいい感じっすよー」
「こっちも」
次々と、終わる中、一人だけフキフキを止めない、王座の足元の人物。
蛍は無駄と分かってながら、その人物に呼び掛ける。
「木村くん、終わったー?」
「んー」
「まだなのね」
いや、分かってたよ。うん。分かってた。
さて、勇者は今どこだろう。
「本読んでていいっすかー」
「んー」
あっ、見つけた。
えっと、ここはなんか良く見たことあるような………
「ヤバ」
この角曲がってきたら、もう王の間じゃんっ。
「みんなやめーいっ!」
「えっ、なっなんですか?」
「鶴野くん、料理は大丈夫ね?」
「はっはい。もう一度チェックしますか?」
「お願い。水谷ちゃんも手伝ってあげて」
「分かりました~」
「早本くん、扉の前にもうそろそろ立ってて」
「はい」
「木村くんと冬城くんは、お願いだから場所逆転して」
「「えー」」
「………」
神様、もうこの二人はどうにも出来ない気がしま___
ガラガラ
ドッシャーン
パリーン
ぷーん
いや、全部どうにもなりませんでした。