魔王木村と勇者石川
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萌えを語る
「うーん、どうしよ」
悩む木村くんと、自分が言ったことをツンツンしながらも気にしている石川くん。
ヤバイ。シリアスシーンなのに。
こんなことしてちゃいけないのに。
蛍は、悶えていた。
少し前まで汚かった床だろうが、知ったことではない。
その姿はまさしく、とれたて新鮮フレッシュなよく太った魚。ビチビチと暴れながら、床を転がっている。
しかし、近くに居たら聞こえたであろうその蛍の呟きは、魚ではない。
というか、魚に失礼なくらいに、ぶっちゃけ気持ち悪い。
「良い。良い~っ」
うん。
でも、それは仕方のないこと。
ホントのホントに仕方がない。
だってほら。
見よ、この神光景。
興奮せずにはいられないではないかっ…。
「木村くんと石川くんがしゃべってる。しゃべってる~~~っ!」
蛍はその二人のあずかり知らぬ間に、近くに居た迷の足をバンバンした。
「ヤバイ。昇天するるるるっ」
「蛍、興奮しすぎー」
そう言いつつ、マジックカメラでちゃっかり撮影している迷も迷だ。我慢しきれず顔もニヤついてるし。
迷と蛍の気持ちは一緒。
石川くんの優しい罵倒と、木村くんの抜けた返事がもー、ね?
ごちそうさまですっ。