魔王木村と勇者石川
しかしそんな妄想をしている間に白山さんが言ったことで、蛍はハッとする。
「たっ確かに、あの二人には萌えますけど…って、あー違います!友達がそういうのが好きで、私はそんな__」
………蛍がこんなにも全身で萌えを表現しているのに、どうやら白山さんは素直に萌えると言えないらしい。
仕方がない。
必殺、睨み付け攻撃___
「だから、わっ私は男の子同士のラブが好きなわけじゃないんですっ!」
攻撃直前に白山さんが慌てたようにそう付け足して、蛍は軽く目を見開く。
どうやら、素直に言えないとは少し違うらしい。
「あー、そういう風に見えるのか」
「え?」
違うんですか? とでも言いたげな白山さん。
知っての通り、迷と蛍は木村くんと石川くんが大好物だ。
確かに男の子同士の仲に萌えていることになる。
でも、だからって男の子同士のラブが好きかといえば、違う。
傍目から見ればそうなるかもしれないが、蛍と迷のこの萌えはそういうことではない。
間違ってもらっちゃあ困るのだ。
「「うん。あくまで男の子の“友情”萌えだからっ!」」
迷と蛍、それなりのこだわりをもって主張いたします。