Shadow princess~カクサレタ ヒメ~
その男達の後ろ姿を見つめていれば聞こえて
くる、妬みの声。
尊敬の眼差し。
誰しもが憧れるその男達。
その男達に護られるそのお姫様が、
あの男に護られるお姫様が、
私には羨ましくて仕方なかった。
いくら願っても、届かない存在と分かってい
れば諦めがつく。
でも、あの“契約”があるから私はいつまでも
縛られてしまう。
「フッ...。」
そして私は今日も笑う。
頬から流れる水に気付かぬように。
誰にも見られぬように。