同居人は国民的アイドル
「なに、まだ雷怖いの?」
「いや、そうじゃなくて。
あの…………
廉くん、背中痛くない?ベッド使う?」
ほんのちょっと勇気を出してそう言ってみた。
すると、
「ベッド使っていいって言ったじゃん。
大丈夫だから」
そう言うちょっと呆れたような声。
廉くんは私のこと、変なところで遠慮深いって言ってたけど、それは廉くんも同じみたい。
「でも、背中痛くないの?」
「…………大丈夫」
ほら。
今、ちょっとだけ間があった。
こんな小さいソファーで寝てたら、誰だって寝付けないはず。
おせっかいかもしれないと思いながらも、私は自分の周りを確認した。
よかった、ベッド大きめで。
これなら、きっといけるはず。
私は一人頷くと、若干残る羞恥心を振り払って口を開いた。