同居人は国民的アイドル
そして、そのままこちらへゆっくりと歩いてくる。
いや、ちょっと待って。
この状況…………
─────襲われたいの?
─────誘ってるとしか思えないんだけど
まさか………………そういうこと?
え、待って待って。
ますます固まる私をよそに、廉くんはどんどん近づいてくる。
そして。
パチン
軽い音が聞こえ、それと同時におでこに小さな刺激が伝わった。
デ、デコピン?
やっと少し冷静さを取り戻した頭でそれだけは理解できたけど。
今自分が置かれている状況はどうしても理解できなくて、思わず目の前の廉くんを凝視する。