同居人は国民的アイドル
「わざわざ教えてくれてありがとう。気をつけるね!」
「…………うん」
廉くんがなぜか呆れたようにため息ついてるけど…………まあいっか。
ていうか、それよりもあのデコピンまあまあ痛かったな…………
そんなことを思いながら弾かれたおでこを抑えていると、
ゴロゴロゴロ………………
ソファーの方に戻ろうとしていた廉くんが立ち止まり振り返った。
…………いや、振り返させられたという方が正しいのかもしれない。
「…………」
廉くんの視線の先は、私が無意識のうちに握りしめていた廉くんの袖口に注がれていて。
「………あのさぁ………」
「…………ごめん、やっぱりベッド半分使ってください」
私の言葉に、廉くんは呆れたように空を仰いだのだった。