同居人は国民的アイドル




「あとは…………

誰かに恋してるとき?」






「…………え?」





由奈の言葉に、今度は胸の奥がザワっとした。




まるで、本心を言い当てられたような。





「恋………してるとき」




「うん。
私も、好きな人とか彼氏がいたときはそんな気持ちになったよ。
その人の新しい一面を知ったり、ちょっと触れたりするだけで胸がドキッとするんだよね。 あ〜、懐かし」





由奈が懐かしそうに話す度、私の心のザワザワは増していった。





その人に触れる度、知る度に胸がドキドキする。




偶然だろうけど、今の私の状況にすごく似ている。





「なに、心当たりでもあるの?」





たぶん、由奈は冗談のつもりでそう言ったんだと思う。




だけど、





「………………」





「えっ、嘘でしょ!?」




何も言わない私を見て、由奈が驚いたように声を上げた。




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