同居人は国民的アイドル




「うーん………」





どんなときにドキドキする………か。




「…………なんかね」




こんなこと人に話すのなんて初めてだから緊張する。




けど、「親友」と呼べる存在の由奈には話してもいい気がした。





「廉くんのことを考えたり、ちょっと話すだけで胸がドキドキするの。
キュッて締め付けられるような感覚になって苦しくなる時もある。
でも、別に嫌な気分じゃなくて…………ほんとによくわかんない」





そう、わかんない。




この気持ちの正体も、なんで廉くんに対してこんな気持ちを抱くのかも。




わからないのに、この気持ちを大切にしたいなんていう訳のわからない感情まで生まれて。




ほんとに自分の心も頭もどんどん乱されていく。





「里華」





それまで黙って話を聞いていた由奈が口を開いた。




いつになく、真剣な顔で。









「里華、たぶんそれ恋だよ」









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