同居人は国民的アイドル






「ただいま」





あの後もメンバーにいじられ続けた俺は、くたくたになりながら家に帰った。




仕事でトマトは食わせられるし、同居がバレてかつてないほどいじられるし。




ほんとに今日は散々な日だった。





「あ、おかえり」





リビングのドアを開けると、キッチンからそう呼びかける声が聞こえる。




見ると、エプロン姿におたまを片手に持った里華がこっちを覗いていた。




「もうちょっとでご飯できるから待っててね」







………なんかめっちゃお母さん感あるんだけど。





心の中でそう感想を挟みつつ、言われた通りソファーに座って待つ。




テレビでも見ようかとリモコンに手を伸ばした俺は…………ふと、動作を止めた。






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