同居人は国民的アイドル
「うっそ、颯希くん!?
え、じゃあ私、颯希くんとLINEしたってこと!?
待って待って、なんかすごい感動。
え、やばくない!?」
俺のことなんかお構いなしに、一人キャーキャー騒ぐ里華。
なに、颯希とちょっとLINEしただけでそんな嬉しいわけ?
…………なんかちょっとムカつく。
「ねぇ、すごくない!?
颯希くんだよ!?
CoolZとLINEしたんだよ私!!」
興奮が冷めない様子の里華が俺の腕を掴んでそう言う。
あー、うっせーな。
「俺だってCoolZなんだけど」
なぜか、自分でも驚くくらい機嫌の悪そうな声が出てしまった。
「廉くん…………?」
そんな俺に、里華が少し不安そうな顔で呼びかける。
だけど、原因不明のイライラはおさまらないままで。