同居人は国民的アイドル
「そんなに颯希と話したいんならいつでも紹介するけど?」
イラついたままそう言うと、俺は里華に背を向けた。
何やってんだよ俺。
てか、何でこんなにイラついてんの?
自分が何がしたいのかわかんなくて、思わず小さくため息をつく。
すると。
「…………うーん、それはいいや」
突然、背後からそう言う声が聞こえた。
「………え?」
「だって廉くんがいるもん」
「………………」
思わず振り返ると、里華はもうキッチンの方へ歩き始めていた。
「なんだよいきなり………」
小さくそう呟き、前髪をぐしゃりとかき混ぜる。