同居人は国民的アイドル





「そんなに颯希と話したいんならいつでも紹介するけど?」





イラついたままそう言うと、俺は里華に背を向けた。






何やってんだよ俺。



てか、何でこんなにイラついてんの?





自分が何がしたいのかわかんなくて、思わず小さくため息をつく。





すると。







「…………うーん、それはいいや」





突然、背後からそう言う声が聞こえた。





「………え?」





「だって廉くんがいるもん」










「………………」







思わず振り返ると、里華はもうキッチンの方へ歩き始めていた。








「なんだよいきなり………」





小さくそう呟き、前髪をぐしゃりとかき混ぜる。





< 166 / 233 >

この作品をシェア

pagetop