同居人は国民的アイドル




目の前でうろうろと歩き続けるみんなを見つめる。




こんなふうに、CoolZに会うために必死にチケットを取ろうとしている人がいる。




行きたいのはみんな一緒。




私だけが楽をするわけにはいかない。




廉くんと一緒に住んでる、なんて特殊な体験をしてるけど、私だってみんなと同じCoolZのファンなんだもん。




それを廉くんに伝えたら、「里華らしいな」ってすぐに笑顔を見せてくれた。







なんて、昨晩の出来事を思い出していると。





ブーーッ!!





そわそわした空気を引き裂くように、一斉に着信音が教室中に鳴り響いた。





いや、教室中どころか、隣の教室からも他の階からも廊下からも。




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