同居人は国民的アイドル
興味ないとか言っておきながら、ちゃんと待ち合わせ時間ぴったりに来たし。
なんだかんだ、由奈は優しいってこと知ってるもんね。
それに、由奈にもキラキラ輝くあのグループを見てもらいたい。
間近でCoolZを見て沼に落ちない人はいないと思うから。
「でも私、歌とか掛け声とか全然わかんない…………」
「もう、そんなどうでもいいこと心配してないで!!
ほら行くよっ!!」
未だにごちゃごちゃ悩んでいる由奈を強引に引っ張って、会場へ向かう。
CoolZに会えるまで、あと少し。
その事実がどうしようもないほど嬉しくて、会場へ向かう足もどんどん速くなっていった。