同居人は国民的アイドル
「よっ、廉!!おっはよ〜!」
女たちに囲まれながら、海翔がこちらに歩いてきた。
クラスこそ違うものの、こいつとは学校まで同じ。
中3の進路決定のとき、「廉と一緒がいい〜」と、まるで彼女のような台詞を言ってきたことを未だに覚えてる。
そのへんのファンなんかよりも、ずっと俺のこと大好きだよな。
「ん?なんだよ、廉。
俺の顔じっと見ちゃって」
いつの間にか俺の前の席に座った海翔が、顔を覗き込んでくる。
「いや…………お前ってほんと俺のこと好きだよなって」
冗談のつもりでそう言ったのに、
「は?当たり前じゃん、何言ってんの」
海翔が当然のようにそう呟いた。