同居人は国民的アイドル
「え、えと…………あの、………」
待って、やばいどうしよう。
廉くんがいる。 私の目の前に。
そう考えただけで足がガクガクと震えてきそうだった。
「……あ、あの!わ、わ、私…………」
やっとの思いで絞り出した声。だけど………
「私、ずっと廉くんの大ファンで!!
それで、あの…………」
「悪いんだけどさ」
なお興奮して話を続けようとする私の声が、廉くんの低い声によって遮られた。
テレビで聞く明るい声とは対照的な声に。
「…………は、はい?」
「早く中入れて?
今週刊誌に撮られたらぜってー誤解される」