同居人は国民的アイドル
ほら、思った通り。
ほんとの俺を知って幻滅してる。
「じゃあ逆に聞くけど」
そう切り出すと、顔をあげたこいつの目と俺の目が合った。
「お前の知ってる廉くんってどんなやつ?」
思いがけない質問に明らかに動揺してるのがわかる。
だけど、すぐに口を開いた。
「私の知ってる廉くんは…………
優しくて、ファン思いで、笑顔が素敵で…………」
「そんなん幻想だよ」
話を遮った俺の声は、自分でも驚くほど冷たくて抑揚がなかった。