* KING *
一緒に帰る流れになったものの、何でいつの間にか向こうのペースになるの?

「今日は楽しかったな。久しぶりに気合いが入った仕事したし!明日も俺ヘルプ入れるから喜べ。」

「そうなんですか?聖人さんが一緒だと スゴく捗り 私本当に助かります。」

ここは1つ下手に出ないと。この人気をつけないと何言い出すか 予想不可能だ。

「明日も任せておけ。で、今日聞いた俺の質問に答えろよ。お前何者?」

「だから、何者とか意味わからないです。反対にどうして そんな風に思うんですか?」

「そりゃそうだろが、お前 あの百瀬と一緒に仕事してんだろが、ほぼ毎日一緒に来て 一緒に帰るとか。怪奇現象だよ。どういう事?」

「へ?そんな怪奇現象って酷くないですか?

私は百瀬さんと圭さんに 超絶振り回されて こき使われ仕事してるだけで。私からしたら 二人は鬼と悪魔なんですから。」

「お前まさか本人目の前で言ってんのか?」

「勿論です。何か問題でも?言わないと 私のストレスMAXで爆発しちゃいますから、毎日 鬼にはマジガツンとぶつかってますよ。」

「噂には聞いていたが、お前中々やるな。百瀬に楯突いてるとか、笑える…。じゃあさ、男はいるのか?」

「男って!付き合ってる人、彼氏の事ですか?」

「まぁ、付き合ってなくてもいいけど、いるの?」

「この忙しさで 彼氏とか絶対無理でしょ?友達と遊ぶとか 時間が全くないですよ…」

「へぇ…じゃあさ、俺と付き合う?」

「///無理でしょ?」

「何でだよ?」

「だって あなたは私に取って (死神だから)…今日初めて話した人だし。」

「ん?そんなの関係なくない?要はフィーリングでしょ?」

いやいや、そもそも私先輩が好きだし。だけど そんな事話したら ややこしくなるのがわかるから言えない。

「それに、聖人さんにはもっと大人で素敵な人が似合いますよ。私なんて 年下だし子供でしょ?」

「杏果がいいんだよ。だから俺の女になれよ。」

チュッと唇を簡単に奪われ 固まる私に クスリと笑いながら死神が宣告する。

「お前は逃げれない。逃げても何処までも追うから、覚悟しろ…。」

やっと口を動かせた私の一言は

「///最低…。」

「ハハ…これで今から 杏果は俺が気になって仕方なくなる魔法に掛かるから。明日から楽しみだ。じゃあお疲れさん。」

さっきまでの雰囲気は全くスルーの死神は さっさと前を歩いて行ってしまった。

訳がわからない死神の思う壺にはなりたくない。

だけど気持ち1ミリ 死神の隙間が出来る事が 今は悔しいとモヤモヤが続くのであった…



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