* KING *
次の朝 先輩の車の隣に座り出社する。車から降りて 先輩に腕を捕まれ拉致られる。そのまま会社のエントランスを抜け エレベーター前まで行く。

只でさえ目立つ先輩が 私をがっつり掴んでいるもんだから、社員の目が刺さる。

「あの私は逃げませんし 離してもらえませんか?」

「あ?何でだよ。一緒に部屋まで行くんだから 黙っとけよ。」

はぁ?先輩は 人の目や噂がスルー出来る人かもだけど、私はそうじゃない。

だけど しっかりと身動き取れないし、不機嫌な先輩は勘弁なので、大人しく側にいた。

COLOR roomに着き 扉を開ける。

「おはよう杏。今日はお熱い出社ね。凱人、あなた朝から飛ばし過ぎじゃない?」

「煩いよ。別にいいだろ?」

「圭さんおはようございます。もう朝から先輩 駄々っ子みたいなんですよ。私 逃げたりしないのに…。どうにかなりませんかね?」

「お前 今度は俺の扱い子供か?」

「何で今まで気付かなかったのか不思議です。そうかなるほど…先輩早く大人になってくださいね。」

「ざまあないわね。凱人も形無しね。」

「杏 覚えておけよ。」

「さあ、朝礼に行くわよ。」

いつもの朝、やる気だけが 先走りがちだが、今日もパターンという仕事をやっつけちゃうんだから!明日は この戦場にカムバックする為に…

負けるな私。勝つんだ先輩に…




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