* KING *
定時のチャイムが鳴り 柚ちゃんが速攻私の机の前に来た

「安ちゃん帰ろう。私トイレで化粧直ししてくるね///」

「クスクス…気合い入ってるなぁ。わかった、私も直ぐに行くよ!」

片付けをしていると…

「安藤ちゃんメール見たよ。中々張り切ってるね。明日パターンチェックするね」

「室長よろしくお願いします。今日はこれで お先に失礼します」

「はい、お疲れ様!」

よし、今日も乗り切ったし…柚ちゃんを迎えに行かなきゃ…パターン室を出た所で

「おい、待て…」

ん?誰?ってか…先輩の声だし…

「何でしょうか?定時が過ぎているので、明日ではだめなんですか?」

「ああ、俺に時間がないからな…」

「は?」

「こっち来いよ…」

「あっ、ちょっと…」

ぐいっと腕を掴まれて 会議室2に放り込まれた…

酷い扱いだ…キッと睨んで先輩を見た…

「何だよ…睨むなよ…」

「あの、何か扱いが雑じゃないですか?先輩…」

「先輩?」

「ちょっとLINEさせて下さい。下で待ってる人がいるので…」

急いで柚ちゃんにLINEで《少し遅れる》と送る…よしと、これで取り敢えず安心だ…

「おい俺は無視か?」

「だから…何なんですか?私は帰ろうとしてたんですが…」

「なぁ今日時間あるか?」

「はぁ?私は予定があるって聞いていませんでしたか?」

「聞いてない。時間作れよ…」

「嫌です…そんな横暴な上から目線の先輩の頼みなんて 絶対OKなんて言えません…」

「チッ。お前なぁ…」

「安藤さん、今から次の秋冬物の資料マップのお手伝いをして頂けますか?残業になってしまいますが、どうか協力頼めませんか?」

ニコッと笑う先輩…

///これが表の顔か…破壊力100%…
私との格差が余りにもあるじゃないか?

「仕方ないですね。他にお手伝いして下さる方がいないんですよね?私に頼むくらいなんですから…」

「そうだ…」

「わかりました…どこで作業しますか?」

「この場所でいい。安藤ありがとう…」

下手に出られたら、手伝うしかないでしょうに…

あっ、柚ちゃんに連絡だ…

「あっ、柚ちゃんごめん。何かね 残業頼まれてしまって今日パスでいい?うん、二人で楽しんで来て、お疲れ様!」

「安藤すまない、予定あったんだよな…」

「ホントですよ、私のお友達が居なくなったら責任取って下さいよ…一生恨んでやるんだから…」

「クスッ…怖いな…俺 用意してくるな…逃げんなよ…」

///たまに笑顔とか 先輩ほんとずるい…
飴と鞭を使い分けるとか 訳がわからないし…でも私 先輩には絶対屈しないし 負けないから…






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