* KING *
如月さんから 一通りの接客マナーを習う。その後、如月さんの後ろに付き 直接お客様との接客を直に見て勉強させて貰う。

「あら杏 可愛いじゃない?それ着たらパーティーに行きたくなるんじゃない?」

「圭さん…」

「杏、ここでは私の事はマネージャーと呼んでね。わかった?」

「はい。素敵なドレス着せて頂きありがとうございます。すごくフィットして着心地が最高です。」

「そりゃそうよ。凱人が取り寄せた物だし、杏のサイズだからね。」

「え?」

「あ。今度ねパーティーがあるの。ドレスが必要になるからって 凱人もやるわね。」

パーティーにドレス?私には とてもじゃないけど 別世界の話の様に聞こえる。

「さて、昼休憩に行きましょ。今日は私と今からデートよ。」

圭さんがストールをフワリと肩に掛け 私の腰を自然と抱いて店を出る。手慣れたエスコートに私はドキドキする。

「杏は何が食べたい?私は杏が食べたいんだけど…それはダメでしょ?」

悪戯な目で クスクス笑いながら聞く圭さんに笑ってしまう。

「///もうダメです。今からご飯ですよ。私 和食が食べたいです。良い店知ってますか?」

「んもう、ノリが悪いんだから…。そうね、あそこが美味しいわ!」

圭さんが知っている和食のお店は 一元さんお断りの敷居の高いお店。

「///杏 個室だからキス出来るわよ…。」

って 冗談ぽく言ってるけど、目がマジ…。ハハハ…

圭さん私で遊ぶのやめて下さい…せっかくの美味しいご飯の味が全くわからなかったんだから…




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