* KING *
本社に帰り 色部に入ると いる筈の先輩がいない?

「もう 早く凱人苛めたいのに 居ないじゃない?」

圭さん先輩を苛めるとか 凄い事を言っている。流石悪魔だと感心する。

「杏 凱人サボってるから探して来て~。多分屋上じゃない?」

「そうですね、私もそこに探しに行こうと思ってました。では 行って来ます。」

エレベーターを使って 屋上に上がる。扉を開けると 知らない部署の女の人と先輩が話している。

「ねぇ凱人…最近会ってくれないし、私に冷たくない?」

「ああ、今忙しいんだよ。俺毎日残業だし 時間ないわ。冷たいってのは 何だよ?俺言ったよな、彼氏じゃないって…それ理解して言ってんのか?」

「…だって、最近凱人 あの子とばかりいるじゃない?付きあってるって みんな噂してるし実際どうなの?」

「チッ。そんなのお前に答える義務はない。噂なんてくだらねえ。好きに言わせとけばいい。」

「酷い…」

先輩に強引に抱きついて キスをする女の人。

「やめろっ!」

女の人を拒絶して 睨む先輩…

「あっ」

思わず声が出てしまい…先輩と目が合っちゃった…気不味いにも程がある…

女の人がハッとして 私を凄い目で睨み 横を走り抜けて屋上から出て行った。


「何だよ 盗み聞きするなよ…」

ムカッ…

「先輩のバカッ。探しに来たら 修羅場だったんです。びっくりして 動けなかったのに 酷い。

それに…先輩は、、、女を何だと思ってるんですか?最低…」

「待てよ。確かに俺最低だよ。だが自分で思っても 人からましてお前から言われたくない。」

「彼女はいないクセに 女の人とは遊ぶんですね。最低の最悪の俺様で…んっ」

いきなり抱きしめて 口を塞ぐ…

先輩は気持ちがなくてても こんな事簡単に出来るかもだけど…

私はそうじゃない。

離して欲しくて 腕を振り上げるんだけど、先輩はそれを許さず、更にキツく抱きしめる手を強める。

もう勘弁して…先輩に煩く言わないから…
キングの気に入らない言葉は 思っても言わない様にするから。

ねぇお願い
これ以上、私の心を縛らないで…



< 123 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop