* KING *
「何で泣くんだよ…」

私泣いているんだ…
絶対泣きたくなかったのに、今度は嬉しい時に泣くって思ってたのに…

自分の感情をコントロール出来なくて、ポロポロと涙が溢れる。

先輩の事は好きだけど、こんなの間違っているし、嫌だ。

「お前は 俺のキスは嫌なのか?」

コクン…

「先輩の心ないただのキスは嫌です。彼氏でもないし、一体キスを何だと思ってるんですか?」

しまった…また歯向かう様な事を言ってしまって ビクビクしながら上目遣いで先輩の様子を伺う。

「何ビビってんだよ。杏は 俺なんか怖くないんだろ?」

「それにキスして何が悪いんだよ?俺がしたいと思った時にする。特にお前は煩いし、キスで大人しくなるとか 子供だな…」

最低な人に子供扱い。これ以上一緒にいたくない。

「もう離して下さい。私は先輩の彼女でも女でも 何でもないんだから 簡単にキスもしないで。

私は好きな人としか キスもハグもそれ以上もしたくない!」

先輩が私の怒りMAXの剣幕に圧倒され怯んだ隙に 先輩から抜け出し 屋上から出て行った。





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