＊ KING ＊

次の日 少し早めに圭さんの家を出て 二人で朝から開いているカフェに行き朝ご飯。

圭さんは素敵女子なの？性別を気にしなければ完璧。所作も綺麗だし、見た目も麗しい。

でも、どうして男をやめたのかは不明。仕事中に男言葉が出るのも不明…。兎に角 謎だらけの人だ。

アパレルやってる人は、変わり者が多いの？じゃないと…面白い物作りなんてパンピーにはとても無理。

あ、忘れていたのに勝手に頭の中に登場してくる先輩…。

「杏ったらイヤね。他の人の事考えてたでしょ？」

ドキッ。感性の鋭い人はこれだから…圭さんには何でもお見通しなんだ。

「なんでわかるんですか？私より私の事をわかる圭さんが怖いです。」

「そんな訳ないでしょ？でも、今日は凱人に黙り無視したらダメよ。仕事とプライベートは別。割り切ってね。」

最後 怖い位に綺麗に笑う圭さんに 仕事のリアルガチを教えられ、社会人は能面の顔、鋼鉄の心が必須アイテムだと思った。

私には簡単に必須アイテムが装着出来そうにないけれど、仕事に支障が出ない様に 細心の注意は払う努力はするつもりであった。