* KING *
二人で黙々と作業をする

先輩は仕事命なのか、新しい企画に燃えてる感が半端なく伝わり 目がキラキラしている

「仕事をする姿勢は スゴいと思います…」

思わず独り言が声になってしまった…

「あ?他は不満があるみたいだな?」

「はっきり言います。私に対して 超俺様態度 何とかして下さいよ…不愉快極まりないです…」

「お前なぁ、そんだけ俺に楯突いといて どの口が言ってる?」

どうして こうなるんだろ?先輩と 本当は仲良くなりたいのに 喧嘩腰の会話とか…

「すみませんでした。私大人げなかったです。後輩は 先輩には勝てませんしね…」

「チッ。先輩先輩うるせぇんだよ…」

「クスッ百瀬チーフ…もう少し言葉使いを柔らかくして下さい。上司が鬼過ぎて 部下が離れてしまいますよ…」

グイッ…急に胸ぐらを掴まれ 睨まれた…

「フフ、口で負けたら 手が出るんですね…」

「黙れ…」

あっ…

顎を掴まれ 強引に唇を塞がれた?
何が起こってる?先輩…まさか…

これは…
うるさい口を本当に塞いだ?

びっくりし過ぎて 言葉を失う…

「ほら、まだ仕事残ってるんだよ さっさと仕上げろ。終電なくなるぞ…」

何でもなかった様に すっと続きをしだす先輩に 私は唖然としながらも 動揺しているとは思われたくなくて、平常心を装い 作業を進め 資料マップを無理やり仕上げた…

先輩…流石にさっきのは やり過ぎだと思うんですが…どういうつもりですか?







< 13 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop