* KING *
シャワーから上がると 最近ではお決まりの先輩が髪をドライヤーで乾かしてくれる。

「今日の 飲みは楽しかったか?」

先輩 何から何まで私のお母さん的な お世話に会話までする。

まぁ嫌じゃないから 話はするんだけどね…

「パターン室の柚ちゃんの同期の人達も一緒で、中々楽しめました。私 仲間とか友達少ないですし、そういうのに呼んで貰えるとか結構嬉しいです。」

「へぇ。俺もツレとか仲間いないから 杏同じだな…」

珍しく先輩が 自分の話をしてくれる事にびっくりする。

「先輩は 中々人に馴染むのが難しそうだから、仕方ないですね…」

「お前が言うな…」

先輩は案外寂しいのかな?とふと思う。

「良かったですね。先輩の近くに こんなに献身的な後輩がいて、先輩寂しいって思う時ないでしょ?」

「俺が世話してやってるんだろ?お前やっぱ生意気…」

だけど、やっぱり先輩の側にいると 素直じゃない私しか現れない。




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