* KING *
先輩が連れて行った場所は お洒落な美術館だった。

「先輩は 美術館にはよく行くんですか?」

「ああ、何か面白い催し物があればチェックして行く様にしている。杏は来ないのか?」

「はい 久しぶりに来ました。」

「時間があれば来るといい。普段見る事のない世界観が見れ 中々リフレッシュ出来る。それに 新しい物を発想する力も身に付く。お前には 特に今から必要だ。」

先輩は 美に対する考えはいつも 限りなく透き通ってシンプルで美しい。

惚れ惚れする感性は 日々の生活だけじゃなく常に新しい物は 昔のアイデアの中からのメッセージを読み取るセンスの良さからなんだと思った。

「先輩、参りました。私はやっぱり先輩にまだまだ及ばない原因がわかりました。今からでは中々ですが、絶対巻き返しますからね。」

「また訳のわからない事を言うんだな。お前の綺麗と俺の綺麗は絶対に同じではない。この意味がわかれば お前もっとイケるんじゃないか?まぁ頑張れよ。」

美術館で嫌というほどアートに触れてデートそっち抜けでテンションが上がる。

「杏は 俺とデートだって事忘れてる?」

「///あ。先輩のデートのチョイスが絶妙過ぎて、先輩の魅力超えしちゃいました。でも先輩とだから楽しんですよ…」

「そりゃ良かった。そろそろここ出るけど いいか?」

「はい、大丈夫です。堪能しました。」

美術館を出て 遅めのランチを食べる事にする。

「お前、汚い所でも大丈夫だよな?」

はい?今日はデートなはず…なのに何故?

「はい。最低な場所なんですか?」

「フッ。じゃ行くから。」

先輩の車は安定のスムーズな動きで進む。




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