* KING *
とりあえず明日の仕事が進む準備をして、滝野君からの連絡を待つ。

暫くして連絡があり、下のエントランスに降りて滝野君を待つ。


「お疲れ様です。」


知らない人達が私に挨拶をして帰って行く。今までの私に対しての扱いがイメチェンしてからでは180度違う。

中身より見た目が大事なの?私は前から同じ私であって、何ら変わりない。


「お待たせ杏果。何、なんかあった?」


「ううん?何でもないよ。さて何処に行く?」


「じゃあ杏果の部屋でご飯。」


「OK、それいいね!って絶対言わないし。」


「ハハ、やっぱり?ちょっと言ってみただけ。」

この男、中々面白いけど…腹黒感満載だ。


「ねぇ滝野君って 見た目と中身のギャップ激しいって言われない?」


「ギャップ?何それ?」


「爽やかそうなのに、腹黒だよね。」


「///杏果。お前俺の事 相当好きなの?」


は?どうしてそうなる?


「ナルも相当なレベル。しかも厄介な性格ときたら、誰もついていけない感じ?」


「なんなの杏果?俺、怖いんだけど…。」


「私人間観察得意なんだ。だから特別な感情は持ち合わせてない。残念?」


「///なんだ。期待して損した。」


「だけど嫌いじゃない。寧ろ…病んでる感は好きかも…。」


「///ヤバっ。無闇に好きとか言うなよ。男は直ぐに勘違いをする生き物だからな。」


「本命には、簡単には言わないってか、言えないから大丈夫だよ。」


「はぁ~杏果こそ 何そのギャップ。シャイで強気とか全然掴めないんだけど…。」


「フフ…、楽しいね。」


「///だから、そのスマイル卑怯…」


と、コントみたいな話し掛けに おかしくて店に行ってご飯も食べて ずっとこんな感じの時間は楽しくて、今日のショッキングな話は その時だけは頭から離れていた。




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