* KING *
シャワーを終え部屋に入って一息付いていると玄関のチャイムが鳴った。

ドアスコープを覗くと…先輩が見える。

嬉しい…素直に。
だけど、反対にどうして?

こんな夜遅い時間に来るとか 常識はずれな行動をする人。

トントン…
ドアを叩かれ、仕方なしにドアを開ける。


「いるんなら早く開けろ。」


「あの何ですか?連絡なら電話でも出来たでしょう?」

「お前がいくら待っても来ないから迎えに来てやったぞ。」


さも当然の様に上から…だけど。


「先輩バカですか?本当なら寝ててもおかしくない時間ですよ。非常識って言葉は こういう人に使うんですね。初めて使わせてもらいましたけど、先輩頭大丈夫ですか?」


「ああ、杏うるさい。早く行くぞ…。」


強引に話をさせない先輩。手を掴まれ私を連れ出そうとする。


「あ~もう、わかりましたから…ちょっと待って下さい。頭も乾かしたいですし…」


「俺ん家で乾かすから 直ぐに行くぞ。」


1秒でも待つ気配もない先輩に呆れながら、全てを放置して 先輩に手を繋がれて歩いている。


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