* KING *
「おはよう…」

いつもの朝の様に先輩がお越しに来た。おでこに手を当て熱を測る人。すっと何気なく何の感情も表さずにする行動。


「熱はないな。杏朝ご飯出来てる。食べれそうか?」


///はぁ。先輩はどういうつもりで ここまで私にするんだろうか?


「体はスッキリしてるし、ご飯は少しなら食べれそうです。」


体まで起こしてくれる献身的な人。今日は何故か、洗面所まで手を引かれる始末…


顔を洗い、キッチンで朝ご飯を食べた。先輩にずっと見詰められてる状態で…スゴく食べ辛い。

そそくさと自分の部屋に行き、いつもの用意されている服を着る。

何気に光る携帯を見て、あれ?と思う。何件も竜野君から連絡が入っていて、今丁度着信…


「やっと繋がった。おはよう杏果。今日迎えに行くって言ってたの 杏果覚えてる?」

「あれ本気だったの?」


「ひっでぇ勿論マジだよ。今も杏果の最寄り駅に向かっているし…」

え?

「ホントに来るんだ?じゃあさ、駅近くのコンビニわかる?そこで 10分後に行くよ。」

「わかるよ。ちょうどその位に着くから、後でね。じゃあ。」

電話の後 最速メイクを施しリビングに行き先輩に伝えに行く。


「先輩、竜野君がマジで迎えに来てるみたいなんで、今日から一緒に行きます。ではお先に行ってきます。」

「おい…。」

先輩が何か言い掛けていたけど、私は振り切って玄関を出た。

先輩断ちの第一歩を踏み出す…無理からに自分に言い聞かせて…




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