* KING *
Chapter
今日は社内での撮影がある。

GLobaly.W,casukul,ankle.k,COLORの4ブランド合同で行われる。

私は朝からテンションがおかしい位に上がっていた。

まず、サンプルを朝1から全てチェックする。企画通りのサンプルか確認し シワがあれば軽くプレスをして、製品のお化粧直しをする。この人手間で結構仕上がりが違ってくる。

「流石杏やるじゃない。服が喜んでいるわ。」


圭さんが次々とプレスをしハンガーに並べられた物を見て話掛けてくる。


「杏お前。その気持ち忘れんなよ。」


先輩には訳のわからない言葉を掛けられ、また可愛くない事を言ってしまう。


「私妥協はしたくないんです。だから100%以上の物を見せたいから、当然です。」

「ハハ…昼から撮影始まるから、少し早めに昼休み取って準備しろよ。」

「はい。でも緊張してご飯食べれそうにないです。」

「圭に昼は連れて行ってもらえ。それとヘアメイクは知り合いのプロが来るから メイクも落としておけよ。」


流石…抜かりのない男。妥協を許さないのは先輩の方だ。


「杏、キリが付いたら行くわよ。お店は予約してあるの。任せておいて。」


ここにも 仕事以外も出来る人。
大人の出来る人は 全てにおいてクールにスマートな行動が出来ないといけないんだ…と改めて 二人を見て思う。

完璧な段取り…私にはいつになったら真似出来るの?仕事以外でも差があるって、どんだけ二人のスキルの高さがあるの?

少しだけ二人に隠れてため息を付き、プレスをモクモクとする私なのであった…




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