* KING *
週末の朝の朝礼後に 瑞木さんが私を呼び止める。

「今日、例のサンプル上がるって昨日連絡来たから 夕方シルエット検討会するよ。だから予定していてね…」

「あっ!今日は柚ちゃんがお休みなんですよ…モデルどうします?」

「えっ柚ちゃん体調悪いの?」

「いえ、病気じゃなく私用で休んでますよ。」

「そっか…ちょっと百瀬と相談するわ。また
連絡するね…」

「はい、連絡待ってます」

今日は夕方から缶詰めになりそうだな…それまでに 違う作業進めなきゃ…

3時の休憩には 屋上は危険だと本能が訴えるから あれから行ってない…給湯室でお茶を入れに行く。

今日はココアにしよう。何か甘い物が飲みたい…カップにココアを入れていると

「俺のも作って」

と出来る事なら会いたくない先輩が言う…

「あ、お疲れ様です。でも先輩がココア?らしくない…」

「お前なぁ…素直に返事が出来ないのか?」

「困った事に 先輩限定で無理みたいです…はい…」

「ハハ…徹底してるんだな…」

「そうですよ…はい、先輩には似合わないお子様味のココアです。どうぞ。」

「お子様味か…ありがとう。今日のシル検は、お前が着ろ。決定な…」

「あっ、ちょっと困ります。私もちゃんとラインみたいのに…」

「たまには 先輩の言う事を素直に聞けよ…じゃあ、後でな。」

流石に俺様爆裂で 言い逃げして行ってしまう先輩。

でも私の事を後輩だと認めてくれた事が 嬉しい…一緒に打ち合わせするのが 待ち遠しくなった。




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