* KING *

「杏、お前ぼぉっとし過ぎ。回りに迷惑だけは掛けんなよ…」

ハッ。先輩…いつの間に終わってたの?


「先輩喋ると残念になるから黙ってて。今、超絶ガクッて落ちましたよ…」

「煩いやつだな。お前こそ喋るな…。クスッ、塞いでやろうか?」


なっ///またそうやって 惑わすんだ?!

先輩の事だけは 好きになりたくなかったな…

恋愛フラグを土足で何回も倒され もう立てる資格すらないのかもしれない。


「先輩には絶対今後塞いで欲しくないので、他の人にしてくれません?鬼でも妖魔でもOKだという奇特な人にどうぞ。」


チッ。舌打ちをされ、横にいる竜野君が二人の会話にドン引きして 顔がひきつっている。

「安藤さん次撮影するから よろしくね。」

須藤さんに呼ばれ 私の撮影が始まるようだ。

私らしく自然体の姿を…
私の中の私が生まれる…そんな瞬間が今始まる…


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