* KING *
竜野君のターンの撮影が終わり、竜野君がすかさず私の元に来る。


「///やばっ。それ駄目なやつだろ?COLORのブランドって 杏果がデザイナーだったよな。杏果に滅茶苦茶似合い過ぎて、他の女が着るイメージがわかないんだけど?」

「でしょ?杏のイメージ+凱人の夢のコラボだからね。仕方ないのよ。」

「おい圭 余計な事は言わないでいいから。それと杏ぼさっとしないで 次お前だろ?」

「わかってますよ。」

「杏、その服は 特にまあまあだな…」


///その褒め方は どうなの?


「行ってきます。」


「やぁ。また今回は可愛いイメージなんだね。杏果ちゃんは 無限の可能性があって、撮る側は ワクワクするよ。さっきより リラックスしてるし、次はタッキー来てくれる?」

カメラマンに呼ばれ 竜野君がやって来た。

「タッキー、フレンド感出して杏果ちゃんと適当に絡んでよ。出来る?」

「OKです。リアルそうなんで、今はフレンドオーバーでいきますよ!」

フレンドオーバー?ってどういう事?

「杏果、手を貸して。本当なら恋人繋ぎしたいけど今はこっち。」

手をさっと繋がれる。これ、地味に恥ずかしいんだけど…

「俺ラッキー。まさか杏果とこんなこと出来るとは思ってなかったし。杏果の手すべすべしてる。」

やだ///何言うの?

「照れた顔が そのモフモフで更に相乗効果の萌え感がアップするねぇ。」

カメラマンは話ながら カシャカシャとずっとシャッター音がなっている。

いつの間にか私の顔に落ちる髪を竜野君が優しく払い 私の瞳をじっと見詰めて…

ドキン///

キスしたい…そんな目をして見ないで…

あっ///

抱き寄せて キスされる?!

「お前離れろよ。杏が嫌がってんだろ?」

「杏果 そうなの?」

先輩は関係ないのに、何でお節介に出てくるの?

「本当にしないのなら大丈夫だよ。キスは振りでしょ?」

「クスッ。流石にそんな事言われたら出来ない…。杏果は確信犯で 参るよ。それにこの人にうざい位に見張られてる感半端ない。お前の上司だっけ?ハハ…」


乾いた笑いで竜野君が呟く。


「杏果ちゃん、中々の小悪魔ぶりだね。だけどおじさん的には もっとタッキーと百瀬君の二人を手玉に取るところとか見たかったな…。あと百瀬君は、中々のジェラシーぶりは驚きだよ…。」


今撮影中だよ?先輩の行動が予測不可能で頼むから 私の気持ちを揺さぶらないで欲しい。お願い…



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